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戯事に去就を決す長き夜 小玲
◎(幹夫)お題「去」秋の時候「長き夜」の秀句。我が身の処し方、去就を決するきっかけは人様々なのだろう。作者自身の処すきっかけは戯事であり、掲句は時事俳句のつもりではなかったかもしれないが、下野の前自民党総裁に是非聞かせたい一句である。「涙腺の理由なく弛む夜長かな(幹夫)」・・・と拙句は、私のとっての秋です。
去年今日わたしの秋は揺れていた 典子
(選外)(幹夫)お題「去」秋の時候「秋」の乙女心の掲句において、日記帳に書かれている貴方の去年の今日を覗いてみたい。「南北の小窓を開けて秋確か(幹夫)」・・今、部屋を吹き抜ける爽やかな秋の風です。
去嫌手の届く夕日がありぬ をみなえし
彼岸花風のにおいに過去がある 宙虫
○(典子)過去を背中に匂う彼岸花に心が休まります。
○(をみなえし)なるほど、忘れられない出来事は、においすら記憶から消せません。
(選外)(幹夫)お題「去」秋の植物「彼岸花」の掲句には、妖しげな曼珠沙華こと彼岸花にはきっと妖しげな過去がついて来る。「去年(こぞ)たしか此の坂道に彼岸花(幹夫)」・・・当地泉州に引っ越して来てちょうど1年が経ったところですが、この1年間、辻々に咲いた中では、思わず立ち止まってしまうほどの彼岸花が最も真っ赤な花です。
人去りて浜は寂しき虫の声 幹夫
○(小玲)夏休みも終わり海水浴客の去ってしまった海辺の光景が詠まれています。寂しく聞こえる虫の声に秋の風情を感じます。
天高し宇宙遊泳の夢去来 徹
消去してこれが正解馬肥ゆる 泉
きよろきよろと薯掘り出して猿が去ぬ アネモネ
コーヒーとコピー機ばかり秋高し 泉
液晶のうらに貼りつく虫しぐれ 宙虫
◎(をみなえし)あぁ、巧いですね。こういう感覚で表現できるのは凄い。現象を自分の感覚でとらえて引出すスキル。実はこれが現実から引出した訳でなく、自分が作り出した現象ならば、それこそ無限大に俳句が広がります。
コピー機の百枚千枚残暑刷る をみなえし
○(幹夫)テーマ「OA機器」秋の時候「残暑」の佳句。「百枚千枚」と下句「残暑刷る」のWパンチ表現がOA機器の力強さを示す。「墳丘に墓標の一基残暑なり(幹夫)」・・・職場敷地内の志貴皇子長子が眠ると言われる墳墓を、先日、皆で草刈りをしたばかりです。
○(泉)「残暑刷る」は上手い表現だと思います。
◎(宙虫)コピー機の放熱で事務所は残暑どころではありません。全く実感です。
パソコンの調子ままならざる夜長 アネモネ
検索の右手中指鉦叩 典子
○(アネモネ)一生懸命だけれどまだパソコンに習熟していない姿が見えて微笑ましい。
選外(をみなえし)鉦叩が効いていますね。
長き夜も休みを知らぬテレファクス 徹
(選外)(幹夫)テーマ「OA機器」秋の時候「長き夜」の擬人句。テレファックスに託す無人オフィスの夜中の光景を読む。上句は「長き夜の(や)」がいいと思う。「子宝の神は陰茎夜は長し(幹夫)」・・・川崎大師の近くにある若宮八幡宮境内の金山神社には、子宝象徴として陰茎が奉られています。
恋人に絵文字のメール秋灯 小玲
◎(アネモネ)いいですね。絵文字のいきいきとした表情が見えてきます。
○(幹夫)テーマ「OA機器」秋の生活「秋灯」の佳句。絵文字マークはハートに違いなく、「秋灯」との相性が良く、作者の恋心が詠まれている。「新聞上深爪のあり秋灯(幹夫)」・・・綺麗な爪は男の嗜みである。「夜に爪を切ると親の死に目に会えない。」との言い習わしを母に教わったことがあるが・・・。
◎(典子)メールに託す恋人への気持ちが感じられます。
パソコンの傍で鳴きゐるちんちろりん 幹夫
ふるさとの訛懐かし鰯雲 小玲
○(典子)故郷の山形を出て以来、主人に着いての引っ越しはかれこれ20回ほどにもなりましょうか。故里の父母や妹を思い出させていただいた句です。
○(泉)懐かしい故郷の訛、そして鰯雲。気弱な自分を励ますようです。
(選外)(幹夫)秋の天文「鰯雲」との取り合わせの掲句に、岩手県が石川啄木「ふるさとの訛懐かし停車場の人混みの中にそを聞きに行く」の歌を思い出しながら、久しぶりの里帰りで懐かしい訛りにも触れることが出来たいう作者の心境が詠まれている。「鰯雲俺の人生遠回り(幹夫)」
速贄を刺して一声鵙果報 徹
秋刀魚焼く天上見上ぐ眼の白さ をみなえし
(選外)(幹夫)秋の動物「秋刀魚焼く」の句。ブチブチと焼かれる秋刀魚がよく写生されている。中句「終止形」は、文法的には、1句2切れを避けて「天を見上ぐる」だろうかと思ったので並選にはさせていただなかった。「大方は似た者夫婦秋刀魚焼く(幹夫)」
秋雨や帽子の鍔にやはらかし 幹夫
◎(小玲)鳥打帽だと思いました。被っている帽子のつばという作者にとっていちばん間近で柔らかな秋雨を感じているところがとても素敵です。
○(宙虫)雨と帽子の鍔の取り合わせがなかなかいい雰囲気。「秋雨」がやわらかい?一般論としてやわらかい=「春雨」という感覚なのでは。やや季感に疑問。
朴さんのつくづくきのこ飯が好き アネモネ
○(宙虫)ほのぼの。味覚の秋。朴さんの表情まで見えて幸せにしてくれます。
窓際も幾年なりや秋海堂 泉
泣いてゐるわたしがうつる秋の水 典子
○(小玲)涙のわけは聞きません。作者の顔が映る水面に揺れていて、季語「秋の水」の詠み方がとても素敵です。
◎(泉)意味は不明なのですが、引き込まれるような魅力があります。
選外(をみなえし)悲しいことだったかもしれないですが、美しかったのでしょう。
おりおりの花野を語りいる花野 宙虫
○(アネモネ)上手い。まったりとしたリズムがいい。
○(をみなえし)大花野が風に鳴っているように感じました。
(選外)(幹夫)秋の地理「花野」を2回使ったことにより、色とりどりに咲き乱れた花野を満喫している様子が詠まれている。「冥土でもこんな花野に埋もれたし(幹夫)」・・・自身、まだ、したい事が盛り沢山です。
★★★「投句遅れちまったyoh!」
兼題・・・「去」
尻さする糸瓜疎い留守去りし 吾郎
テーマ・・・「OA機器」
携帯とマウス茄子馬解いた池 吾郎
自由題
きのこ狩り知らない名らし里佳子の忌 吾郎
★★★
良かったら、この吾郎さんの句にも触れながら、ご歓談ください。
吾郎さんも今回の句会にコメントでもください。
(10月15日の句会当番よろしくお願いします。)
では、皆さんシルバーウィークの残りを楽しんでください。
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